Tohoku Relax

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羽黒山周辺の
寄り道スポット
時間を忘れて過ごしたい
「花の寺」

落ち着いた佇まいの仏閣が多い
鶴岡市郊外の羽黒地域。
玉川寺(ぎょくせんじ)は、国指定名勝の庭園が訪れる人の心を癒やしてくれる名刹(めいさつ)だ。
併設の禅カフェで、ゆったり流れる時間を
味わうのもいい。

羽黒山に通じる大鳥居にもほど近い玉川地区に建つ玉川寺。杉木立に囲まれた山門をくぐると緑がいっぱいの参道。導かれるように境内に進むと、厳かな空気が全身を包んでくれるような感じがする。初夏には緑が美しいこの参道は、秋には色とりどりの紅葉に彩られ、また違った表情を見せてくれる。

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鎌倉時代の1251年に開かれた曹洞宗(禅宗)の寺院。国指定名勝の庭園は1450年代頃に造営されたもので、1650年代の改修を経て今にその姿を伝えている。池の水面が地面よりも高くなっているなど、手の込んだつくり。自然の山から流れ落ちる滝の音、時折聞こえる鳥のさえずりが、かえって静寂さを感じさせる。5月から6月にかけて見られる、珍しいクリンソウの群生をはじめ、四季折々のいろいろな花が彩りを添える。「花の寺」と呼ばれるゆえんだ。

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本堂から、書院から、そして実際に庭に下りてみて、と、見る角度を変えれば違った表情を味わうことができる。抹茶と、季節を表現した和菓子のおもてなしがうれしい。「騒がしさから逃れてゆっくり過ごしたい」と訪れ、時間を忘れて庭を眺めている人もいるという。座禅会やコンサートといったイベントも開かれている。夏の夜にはホタルも舞う庭園は、訪れる人の心を癒す最高の舞台装置だ。

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玉川寺でも精進料理を味わうことができる。「食べることも修行」と考える仏教の戒律に忠実に基づき、動物性の食材を一切使っていないのが特徴。ゴマ豆腐をはじめ、山菜や季節の野菜を用いた小鉢が並ぶ。「五観の偈(ごかんのげ)」の祈りを唱えて、さあ召し上がれ。要予約で2名からおおむね20名まで。

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倉庫だった建物を改装し2022年にオープンした「禅カフェ水月庵」。窓からは竹林からの木漏れ日が差し込み、木の質感を生かした内装や調度、アナログプレーヤーが静かに奏でるジャズが独特の雰囲気を演出する。提供しているスイーツ類もこだわりが詰まった逸品ぞろい。月曜、水曜、土曜(13時~16時20分まで)の限定営業。

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日常とは違う別世界で特別な体験をすることは、旅の楽しみの一つ。玉川寺で過ごすひとときは、訪れる人にとってかけがえのない時間になるに違いない。

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