土手の珈琲屋 万茶ン|JR東日本

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土手の珈琲屋 万茶ン

作家・太宰治も通ったという
東北最古の喫茶店「土手の珈琲屋 万茶ン」。
サイフォンで入れる格別なコーヒーが、
街歩きで冷えた体を温めてくれる。
昭和レトロとサブカルチャーが同居する店内は、
過去と未来が融合する
弘前の街を映し出すよう。
ゆったりとした時間を過ごしながら、
また一つ、弘前の新たな魅力に気づかされる。

弘前市中心街の土手町通りから1本入った「かくみ小路」に、店頭に置かれた半分のコントラバスが目印の「土手の珈琲屋 万茶ン」がある。1929(昭和4)年創業。東北最古の喫茶店で、国内でも4番目に古いとされる名店だ。作家の太宰治、石坂洋次郎、画家の阿部合成らが好んで訪れたことでも知られる。店名には「何『万』人のお客さまに、お『茶』を差し上げて、お客さまにも『ン』(運)がつくように」という意味が込められているという。店内には創業当時から使われているシャンデリアや、旧制弘前高校の学生から贈られたという大鵬のレリーフ、ぜんまい仕掛けの柱時計など歴史を感じさせるものが残る。

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5代目店主を務めるのは阿部郁(かおる)さん。黒石市出身で、高校生の頃からレトロなものや喫茶店巡りが好きだった。前職はタクシードライバーで、弘前市内のアップルパイを紹介する「アップルパイコンシェルジュ」を務めており、万茶ンにもよく訪れていたという。一方、万茶ンは先代が退職したことにより2023年12月に休業し、店の運営管理会社が24年5月に新店主を募集。阿部さんは「喫茶店が100年近く続くのは稀なことで、このままではもったいない。コロナで街がひっそりとしている中、何かせずにいられなかった」と応募し、クラウドファンディングを経て同年12月に再オープンした。

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コーヒーは、先代から受け継ぐサイフォンで入れる。着物にエプロン姿の阿部さんが袖を留め、サイフォンの上部に上がってきたお湯とコーヒーの粉を木べらでくるくるとかき混ぜると、店内に豊かな香りが漂う。同店オリジナルの「太宰ブレンド・昭和の珈琲」(おかわり付き・税込み900円)は、ほろ苦さがありながらもすっきりとした後味。メニューは他に、柔らかな酸味と深いコクが特徴の「スペシャルブレンド弘前」(同)、カフェ・オ・レ(税込み900円)などのほか、日によって阿部さん手作りの珈琲ゼリー(税込み500円)やリンゴ入りの「てぃらみす」(税込み600円)などのスイーツも提供している。

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レトロな店内には、アニメや漫画などのサブカルチャーを同居させている。弘前市を舞台にした漫画「ふらいんぐうぃっち」のコーナーや、バーチャルシンガー「初音ミク」のフィギュア、「りんご娘」など地元アイドルの写真も並ぶ。元々サブカル好きの阿部さんが「私物を少し飾っていたら、お客さんたちが持ってきてくれるようになった」という。弘前に“聖地巡礼”に訪れるサブカルファンの来店も増え、客層が広がった。「弘前は過去と未来がほどよく調和している街。太宰だけじゃない青森県を知ってもらうきっかけをつくり、人と街をつなぐ架け橋になれたら。ここまできたら日本一古い喫茶店を目指したいですね」と阿部さん。営業時間は月~木曜日が午後1時~7時。金、土曜日は午後8時まで。日曜定休、不定休あり。詳細はインスタグラムやXで。

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